静かな坂道

登るも下るも静かな坂道がいい

後編「北岳に登ってみました」

朝4時にアラームが鳴りました。

 

テントから出てみると、日の出はまだですが、

空は快晴!

 

周りのテント泊の方々は、すでに起きていたようで、

朝ご飯と今日の準備を進めていました。

 

 

私も早速準備。

 

軽いザックに行動食やドリンク、

ソフトシェルなどを詰め込んで、

5時ちょっと前に出発しました。

 

 

御池小屋からすぐに登山道は急登になります。

草すべり、と呼ばれているコースです。

 

相当に顔を上に向けないと、視界には道しか映りません。

 

その急な坂道をゆっくり登っていきます。

▲左:朝5時前。北岳にまだ昇り切らない朝日が当たりました。右:草すべりを登ってる途中で、東の鳳凰山から太陽が昇りました。同時に気温もグンと登りました。

 

1時間ほど黙々と登っていくと、

木立の間から、はるか上に北岳が見えました。

「見るんじゃなかったぁ」と後悔するほど、

まだまだ先に見えました。

 

 

もちろんそこから先も、ひたすらに急登です。

 

そして二股方向からの登山道と合流するあたり、

視界が開ました!

▲二股からの道と合流し、しばらく登って振り返ったら、これ! (それにしても左隅に出てる文字がイヤ。なぜか勝手に入ってきました。昨日の写真には写っていないのに・・・)

 

イチゲンの私に、

こんなに素晴らしい風景を見せちゃっていいのか?

と、思えるほどの素晴らしい風景。

 

さらに、高度が増すごとに、素晴らしさも倍増です。

 

 

昨日の土砂降り&急登も、

今登ってきた草すべりも、

遠い遠い過去のものと感じてしまうほどの素晴らしい風景。

▲小太郎尾根分岐を過ぎると、北岳までは尾根沿いの道になります。写真の左奥が北岳

▼小太郎尾根分岐に集まる団体さん。皆さん、楽しそうでした!

 

感謝しかありません。

 

 

その後も登りは続きますが、

拡がる山並みを眺めながら歩いていたら、

いつの間にか、北岳山頂にいた気がします。



本当に良かったです。

 

▲上左:綺麗な立ち姿の仙丈ヶ岳。上右:甲斐駒ヶ岳と右奥に八ヶ岳。下左:北岳から望む北岳肩の小屋とテント場。下右:鳳凰山。麓に広河原山荘、そのちょっと下側に私が泊まったテント場も見えています。

 

帰りは登ってきた草すべりで御池小屋まで下り、

荷物を回収して、重いザックを再度担ぎました。

 

こんなに重い荷物をよく担ぎ上げたものだと、

ちょっと感心しました。

 

その荷物を担ぎ、広河原までの急な坂道を、

とにかく慎重に歩きました。

 

膝や股関節への無駄な負担を避け、

靴を引っかけないよう足を上げ、

そして無理をしない。

 

結果、膝が痛むことなく、

足が痙攣することなく、

無事、広河原まで下れました。

 

 

あの、土砂降りの中で渡った吊り橋を、

今度は、晴天のもとで渡る。

 

振り返ると、北岳が真上にありました。

 

 

今回の山行は、本当に高品質でした、

という印象。