静かな坂道

登るも下るも静かな坂道がいい

いっしょに歳を重ねていきたい

会社からの帰り道、

踏切の脇に、多くの若者が集まっていました。

 

花を手向ける人、

抱き合って慰め合う人、

俯いて拳を握る人・・・。

 

 

 

先日、電車に飛び込んだ高校生の仲間でしょう。

 

飛び込んだ高校生の事情は全く知りませんが、

今、そこで涙を流す彼らに、

「なんでもっと早く、泣いてやらなかったのか」と

問いたい気持ちになりました。

 

 

 

 

昨年の夏、腹違いの弟が死にました。

 

まだ30代。

 

自殺でした。

 

 

1年ぐらい前から連絡が取れず、

LINEしても既読スルー。

 

既読、だから安心してましたし、

まだ若いんだから、色々悩みもあるだろうと、

そんなに深刻になっていませんでした。

 

 

そんな彼が、突然の死。

 

腹が立って腹が立って、

情けなくて仕方なくて、

なんで会いにいかなかったのか、と。

 

居場所は知ってたし、車で行けば1時間ほどの道のりなのに、

生きてるうちに、一度も行きませんでした。

 

ひとりで悩み、苦しんで、

両親にもうまく伝えられず、

私の問いにも答えられないほど、

彼の精神は、人智を超えたところにいたのです。

 

 

 

だからこれからは、生きてるうちに、

一生懸命、その人と接してみよう、と思うのです。

 

 

彼を忘れることはないけれど、

もっともっと、

いっしょに歳を重ねていきたかったのです。