静かな坂道

登るも下るも静かな坂道がいい

OPTIMUS 8R

どちらかというと、道具を大事にします。

 

大切に保管しておくわけではなく、

壊れないように

大事にガンガン使ってます。

 

 

学生の頃、アルバイトをして貯めたお金で、

YAMAHA XT250Tを買いました。

 

残念ながらもう残ってはいませんが、

初めての道具だったかもしれません。

 

そして、アルバイトをして貯めたお金で、

今度はオートバイで出かけるための

道具を揃えました。

 

 

初めに買ったのは、

厚さ50mm、直径100mmほどの缶に固形燃料が入った

なんと言うか、固形燃料入り缶。

 

缶の蓋を開けて、着火。

五徳のようなものが付いていて、

そこに水を入れたクッカーを載せます。

 

思い起こせば、今、メインで使ってる

アルコールストーブに近いかもしれません。

 

ただし、当時の私は、

火力が弱い、とか

風に弱い、とか文句ばかりで、

何の工夫もせずに、ちゃんと使いこなすこともできず、

固形燃料入り缶は、どこかに葬られました。

 

そして本当は、

その頃、とっても気になるバーナーを見つけていたのです。

 

OPTIMUS 8Rです。

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たまたま行ったスポーツ用品店にありました。

 

水色の箱を展開すると、

燃料タンクやバーナーヘッドが入っていて、

もちろんややこしい組み立てなどなく、

その“道具感”に、ひと目惚れでした。

 

確か、5,000円ぐらいだったと思います。

 

決めるまでに、

1ヶ月ほどかかりました。お店で、

「赤ガスでも大丈夫だよ」と店員に言われましたが、

白ガスも1リットル買って帰りました。

 

本当はポンピング用のポンプも買おうかと思ったのですが、

使い方、それから効果がイマひとつ理解できなかったので

見送りました。

 

ウチに帰って、早速、点火です。

 

タンクに白ガスを入れ、

バーナーヘッドの下の皿に白ガスを少し溜め、

火力調整ノズルを開けて、

下に溜めた白ガスに点火。

 

20cmほどの火柱が上がり、

プレヒートが進んでくると、

バーナーヘッドの中にあるノズルの先から、

チョロチョロッと燃料が出てきて、

そこに火がついて、シュッシュッシュッと

蒸気機関車のような音がして、

ちょっとすると、ボボボーと燃焼してきて、

最終的にバーッと、爆音とともに安定します。

 

盛大な燃焼音の割には、

今ひとつ火力が弱い気がします。

でも、

最高の道具が手に入ったと

とっても嬉しい気持ちになったことを覚えています。

 

基本的にお湯を沸かすことにしか使ってないけど、

外でこれを使ってお湯を沸かし、

ラーメン食べたり、コーヒー淹れたりして

自分は自由だなぁ、なんてことを思っていました。

 

今でも、年に一度ほどですが、

火を点けます。

 

 

オートバイで出かけ、

林道の脇で、

田舎のバス停で、

眼前海の砂浜で、

いろんなところでこれを使った思い出が、

蘇るのです。

 

それはいつも、

その時に心細いと感じた気持ちといっしょに

蘇るのです。

 

当時は、ひとりは寂しいと感じていたのです。

 

今思うと、その自由さが、

心から羨ましく思います。

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